2026-05-29 | IN その他

犬の神様

あいちゃんという犬を飼っていました。

チワワの女の子で、とてもかわいい犬でした。

ペットショップで売れ残っていて、ケースの中で自分のうんちを食べていました。その姿を見て、誰も買わないのだと聞きました。

けれど私が会いに行くと、まるで前から知っていたかのように、しっぽを振って喜んでくれるのです。

その姿を見ているうちに置いて帰ることができなくなり、何日かペットショップに通った末に、私はあいちゃんを家に迎えました。

こうして、あいちゃんは家族になったのです。

迎えた翌日のことでした。

私は不思議な夢を見ました。

柴犬のような顔をした、着物姿の犬の神様が現れたのです。

犬の神様とあいちゃんは、夜空を円を描くように舞っていました。

犬の神様は、あいちゃんが愛おしくてたまらないという様子で、クリーム色の毛をやさしく撫でながら言いました。

「飼ってくれてありがとう」

夢とは思えないほど鮮明でした。

犬の神様からあいちゃんへの、狂おしいほどの愛情が伝わってきて、少し怖いくらいだったのを覚えています。

私は、あいちゃんを幸せにしなければと思いました。

それから長い年月が流れ、あいちゃんは年老いて、この世を旅立ちました。

今ごろは、犬の神様のもとで過ごしているのでしょうか。

犬の神様にとって大切なあいちゃんを、ほんの少しの間だけお借りして、ごめんなさい。

犬の神様。

あいちゃんを私のところへ来させてくれて、ありがとうございました。

どうかこれからも、あいちゃんが幸せでありますように。

そう祈らずにはいられません。