あいちゃんという犬を飼っていました。
チワワの女の子で、とてもかわいい犬でした。
ペットショップで売れ残っていて、ケースの中で自分のうんちを食べていました。その姿を見て、誰も買わないのだと聞きました。
けれど私が会いに行くと、まるで前から知っていたかのように、しっぽを振って喜んでくれるのです。
その姿を見ているうちに置いて帰ることができなくなり、何日かペットショップに通った末に、私はあいちゃんを家に迎えました。
こうして、あいちゃんは家族になったのです。
迎えた翌日のことでした。
私は不思議な夢を見ました。
柴犬のような顔をした、着物姿の犬の神様が現れたのです。
犬の神様とあいちゃんは、夜空を円を描くように舞っていました。
犬の神様は、あいちゃんが愛おしくてたまらないという様子で、クリーム色の毛をやさしく撫でながら言いました。
「飼ってくれてありがとう」
夢とは思えないほど鮮明でした。
犬の神様からあいちゃんへの、狂おしいほどの愛情が伝わってきて、少し怖いくらいだったのを覚えています。
私は、あいちゃんを幸せにしなければと思いました。
それから長い年月が流れ、あいちゃんは年老いて、この世を旅立ちました。
今ごろは、犬の神様のもとで過ごしているのでしょうか。
犬の神様にとって大切なあいちゃんを、ほんの少しの間だけお借りして、ごめんなさい。
犬の神様。
あいちゃんを私のところへ来させてくれて、ありがとうございました。
どうかこれからも、あいちゃんが幸せでありますように。
そう祈らずにはいられません。