引き寄せの法則をご存じでしょうか。
「人は、信じたもの・イメージしたものを引き寄せる」という考え方です。
正直なところ、私は最初、この考え方をあまり受け入れられませんでした。
もし本当にそうなら、ネガティブなことを考えただけで、それを引き寄せてしまうのではないか。内向的な私には、とても怖く感じられたのです。
でも、自分はできる、と心のどこかで信じたときに、本当にできてしまった経験は確かにあります。
「こうなったらいいな」と明るいイメージを、特別がんばるわけでもなく持ち続けていたら、するすると物事がうまくいったこともあります。
今では、誰でも本当は「引き寄せの達人」なのかもしれない、と思うようになりました。
私たちはみな、自分が深いところで信じている通りの人生を、どこかで選び続けているのかもしれません。
私は画家を志すまで、ずっと「絵にまつわる仕事」を転々としてきました。
イラスト、デザイン、画材店の店員さん、お絵描き教室の先生の仕事……。
気がつくと、いつも絵の“周り”にはいるのに、「自分の絵」を描いているわけではない、という状態が続いていました。
今振り返ると、画家になりたいのに、その真ん中に飛び込む勇気が出ずに、ずっと周りをぐるぐる回っていたのだと思います。
頭では「絵の仕事だからこれでいいはず」と言い聞かせていても、魂は「違うよ、本当にやりたいのはそこじゃないでしょう?」と、ずっとささやいていました。
なかなか上手くいかず、生活も心もくたびれて、それでも「やっぱり私は絵を描きたい」と何度も戻ってきてしまう。
そうやって何年も遠回りして、ようやく「画家として生きていこう」と決めました。
そのとき、私の中で何かのスイッチがカチッと入った感覚がありました。
魂レベルで「私は画家である」と認めた瞬間、自分を大切にするという意味がわかったのです。
心から、魂から「本当になりたい自分」を受け入れたとき、
世界のほうが少しずつそれに合わせて動き始める——
引き寄せの法則とは、本当はそういうものかもしれないと今は感じています。
心の底にフタをしている悲しみや、押し込めてきた感情が、もし癒されたら。
きっと私たちは、今よりずっと良いものを引き寄せるのだろうと思います。
でも、それは簡単なことではありません。
だからこそ、「雨雲を突き抜けたら、その上には必ず青空がある」
そんなイメージを、意識して心の中に置いておきたいのです。
振り返れば、私は長いあいだ、自分を大事にせず、勝手に絶望し、びっくりするくらいの病気を起こしてしまったこともありました。
今思えば、とてもマイナスなイメージと自己否定を、自分に向けて“引き寄せて”しまっていたのだと思います。
50歳になって初めて、「自分を大事にしよう」と心から思い、画家を志し、絵を描きながら何とか生活も成り立つようになってきました。
きっと、どこかで全部、自分の魂が「そう決めてきた」ことなのだと思います。
今週の私は、正直に言うと、落ち込んでどうしようもない時間も過ごしました。
そんな中で、ノートに向かっていたら、ふっとこんな言葉が出てきました。
もっと力強く、明るいイメージを持って。
本当にその通りだなと思いました。
「イメージの力」は、私たちが思っている以上に繊細で、そして力強い。
心から魂から、本当になりたい自分の姿を、こわごわではなく、少し誇らしくイメージしてみる。
それが、魂が望んでいる現実を、この世界に少しずつ引き寄せていくのかもしれません。
この言葉を忘れないように、ここに書き残しておきます。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。