今年の初めにノートに書いた、上半期の目標を見返してみました。
すると、びっくりするくらいほとんど達成できていないのです。
高いところばかり見上げていて、肝心の自分の足元を、あまり見ていなかったのだなあと思います。もう7月も半ばを過ぎて、「こんなにできていなかったんだ」と一瞬たじろいでしまいましたが、それでも目標には書いていなかった「良いこと」もちゃんと起きていました。
そのひとつが、「絵がうまくなりたい」という一心で、デッサンやスケッチを描き始めたことです。きっかけは少し「焦り」だったかもしれませんが、今では新しい習慣になりつつあります。
なんとか続けていられるコツは、自画自賛です。
ほかの人のデッサンを見るのはほどほどにして、
「前に自分が描いたスケッチやデッサンより、ほんの少しでもよくなっていたら、それで素晴らしい」と、自分をほめることにしました。
毎日できなかった日も、できなかった自分を責めすぎないこと。
がっかりしやすい自分を、なだめたり励ましたりしながら、続けています。
下半期の目標も考えなければいけないのですが、どうも私は夢を大きく見てしまいがちで、目標設定はいつも少し苦手です。
自分の足元をそっと見つめて浮かんできた目標は、
「自分の絵を好きになること」
でした。
絵を描くことは大好きなのに、描き上がった自分の絵を、心からほめてあげることがなかなかできない私です。「もっとこうすればよかった」「あのときの絵のほうがよかったかもしれない」と、ついダメ出しをしてしまいます。
そんな中、ある朝のことです。
目覚めかけの、まだ夢と現実のあいだをふわふわと漂っているような時間に、ふっと一つの言葉が心の中に降りてきました。
「自分の絵を信じる」
という言葉でした。
誰かが耳元でささやいたような、不思議な静けさをまとった言葉でした。
天使なのか、守ってくれている存在なのか、それとも私のいちばん奥にいる本当の自分なのかはわかりません。でもたしかに、やさしくて、まっすぐな声でした。
その言葉を聞いたとき、
「ああ、これが今の自分にいちばん必要なことなんだ」と感じました。
人様に観ていただく絵を描いているのだから、
まず自分が、自分の絵を信じてあげなくては。
そう思ったら、少し胸があつくなりました。
私はもともと、自己肯定感が高いほうではありません。
だからこそ、自画自賛は自分を甘やかすことではなく、静かな勇気なのだと思うようにしました。
デッサンと違って、「好きに描く絵」は心の状態がそのまま表れやすいのか、
「前に描いた絵のほうがよかった」と感じてしまうことも、よくあります。
そんなとき、つい自分の絵を認めることが難しくなってしまいます。
でも、本当はそれも含めて**「今の自分の絵」**なのだと思います。
迷いも、弱さも、拙さも、そのままキャンバスに出てしまうからこそ、
それを丸ごと抱きしめてあげられたら、どんなにいいだろう、と。
だから、下半期の目標は、こう決めました。
「自分の絵を信じること」
うまくいったところだけではなく、
「ここはまだだな」と思うところもひっくるめて、
それでも**「今の自分が描ける、いちばんの絵だよ」と信じてあげること。**
もしかしたら、とても高い目標なのかもしれません。
でも、ゆっくりでいいから、その方向に歩いていけたらと思います。
今年の下半期、みなさんはどんな目標を立てられたでしょうか。
どうか、ご自分の小さな一歩を、やさしく受けとめてあげられますように。
そして私も、
**「自分の絵を信じる」**という朝のメッセージを胸に、
一枚一枚の絵と向き合っていきたいと思います。