ずっと一人で絵を描いてきましたが、毎年出品している公募展・現代童画会から、セミナー展のお知らせが届きました。
セミナー展に向けて、事前に勉強会が開かれて、下絵の段階から見ていただけるのだそうです。
恥ずかしがりの私にとっては、かなり勇気のいることなのですが、「これは参加してみたい」と思い、今からドキドキしています。絵についてアドバイスをいただける機会って、本当に貴重でありがたいものです。先生方の視点や、ほかの方の考え方に触れられるのが楽しみでなりません。
それに、皆さんの下絵がどんなふうになっているのかも、とても気になります。
構図をしっかり描き込む方もいれば、色だけをざっくり置いてみる方もいるでしょうし、人の数だけ「絵が生まれてくる前」の姿があるのだと思うと、わくわくします。
一方で、私はあまり下絵を描き込むタイプではありません。
ざっと描いた絵の雰囲気や、ふっと浮かんだイメージをまとめているスケッチブックがあって、それを私は「アイディア帳」と呼んでいます。
このアイディア帳は、私の宝物です。
「誰にも見られない」と思っているからこそ、力を抜いて、自由に、好きなように描いています。
「こんな天使を描いてみたい」「この色の組み合わせで、いつか大きな絵を描きたい」――そんな断片を、メモするような気持ちで描きためています。
アイディア帳を開くと、まだ描いていない絵が、こんなにたくさん待っていてくれるんだと思えて、うれしくなります。
もしかしたら、私にとっていちばん幸せな時間は、このアイディア帳に向かっているときかもしれません。小さなスケッチの一つ一つが、「これから生まれてくる絵たちの予告編」のようで、ページをめくるたびに胸がときめきます。
セミナー展に向けた勉強会で、先生方や仲間の皆さんが、どんなふうに絵を作り上げていくのかを見られること。
そして、それとは別に、自分の中で静かに育っていく、アイディア帳の小さなイメージたち。
その両方を大切にしながら、これからの絵を描いていきたいなあと思っています。
皆さんは、どんなふうに絵を作り上げていらっしゃるのでしょうか。