私は自己肯定感が低いのです。
3、4歳のころ、「大きくなったら何になりたいの?」と聞かれて、本当は「画家になりたい」と思っていました。けれど、その夢を口にするにはあまりにも大きく感じられて、とても言い出せなかったことを、今でもはっきり覚えています。
そんなに幼いころから、自分に自信がなかったのだと思います。
でも、年を重ねた今は、そのころの自分に逆のことをしてあげたいと思うようになりました。
つまり、
「自己肯定感を上げるためなら、なんでもやってみよう」
と決めたのです。
そのために思いついたのが、自分をほめるノートです。
日記帳や手帳に、思いつくまま自分をほめる言葉を書く。
「よくがんばったね」
「今日はここがえらかった」
「ちゃんと生きててえらい」
そんなふうに、ささいなことでも、とにかく自分をほめてみました。
続けているうちに、ふと気がついたのです。
いつの間にか、無意識に自分を責めることが少なくなり、不安感が前より減っていると。
最近、「ジャーナリング」という手帳の書き方を知りました。
ジャーナリングとは、
頭に浮かんだことをそのままノートに書き出していく方法です。
・思いつくままに言葉を書きなぐる
・浮かんだアイディアをメモする
・今日感謝したいことを列挙する
・こうなったらいいなという理想を書いてみる
正解も、きれいにまとめる必要もなく、
ただ心の中を紙の上にそのまま流していく。
気がつくとノートの数がいくつも重なってしまい、それが少し困りものなのですが、
それでもペンを走らせるのが楽しくて、やめられません。
誰に見せるわけでもないので、
自分本位に、わがままに、自由に書いていられるのも心地よいところです。
ジャーナリングを続けているうちに、不思議なことが起きました。
最初は「今日あったこと」「こうなりたい」という、ごく普通の独り言のような文章だったのが、
あるときから、ふと文体が変わっていることに気づいたのです。
「私はこうしたいです」と書いていたはずが、
いつの間にかノートの中で、
「大丈夫ですよ」
「それでいいんですよ」
「あなたの絵はちゃんと愛されていますよ」
と、誰かから語りかけられているような言葉に変わっていました。
まるで、ノートの向こう側にいる天使と、
静かに手紙をやりとりしているみたいでした。
もちろん、実際に声が聞こえるわけではありません。
けれど、ペンを握っているとき、
自分のいちばん深いところにいる「やさしい存在」が、
そっと言葉を送ってくれているような、不思議な感覚があります。
ジャーナリングは、私にとって、
自分と天使との小さな対話の場所になりました。
私は今、
「毎瞬毎瞬を、心のど真ん中で生きたい」と願っています。
ノートに気持ちを書き出していると、
その「心のど真ん中」が、
私の場合はやっぱり絵を描くことなんだなあ、とあらためて気づかされます。
来年も、歩みはゆっくりかもしれませんが、
たくさん絵を描いて、ホームページに載せていきたいと思っています。
ホームページを見ていただけることは、私にとって、
「画家になりたい」と言えなかった幼いころの自分への、
何よりうれしいプレゼントです。
いつも見に来てくださって、本当にありがとうございます。
どうか皆さま、よいお年をお迎えください。
そして、来年もまた、ノートとキャンバスの上で、
天使とおしゃべりをしながら絵を描いていけたらと思っています。