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ナイーブアート&スピリチュアルアート|天使の絵|伊藤無垢

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2024-12-02|In 作品制作|1 Minute

自分なりのスピリチュアルアート

itoumukuBy itoumuku

スピリチュアルアートって、素敵な言葉だなあと思います。

これまで私は、自分の絵を「ナイーブアート」「童画」「アールブリュット」と呼んできましたが、
「スピリチュアルアート」と呼んだことはありませんでした。

どこかで、
「私の描き方はちょっと違うかな」
「効用をうたうようで気恥ずかしいな」
と、自信がなかったのだと思います。


スピリチュアルアートやヒーリングアートの世界では、
その絵が持つ**“効き方”**も、絵の価値の一部として大切にされています。

私なりに思う「絵の力」とは、
その絵を見て、理由もなく「たまらなく好きだ」と感じてしまって、
自分の魂がふっと喜ぶ瞬間が生まれることです。

言葉にならないくらい深く、「ああ、好きだなあ」と感じる。
その一瞬だけで、自分の波動が少し軽くなるような気がします。

私の家の玄関には、シャガールの絵(複製ですが)を掛けています。
通るたびにその世界に引き込まれて、現実のいやなことをしばし忘れ、
「はあ…なんてきれいなんだろう」と深いため息をつきます。

それだけで、その玄関から、どれほどたくさんの「良い気持ち」が入ってきてくれたことでしょう。
私にとっては、それが絵の持つスピリチュアルな力です。


実は私は、「魂の絵を描く」ために生まれてきたという感覚を、はっきりとした記憶として持っています。

とても幼い少女の姿をした私が、どこか高いところで、
「魂の絵を描きたいから、この世に行こう」
と決めていた場面を覚えているのです。

そのとき私は、他の細かい計画はほとんど立てず、
ただひとつ「魂の絵を描きたい」という願いだけを胸に入れていました。

その中には、
「正規の美術学校には行かない」ということも含まれていたようです。

もしもっと綿密な計画を立てていたら、少しは生きやすかったのかもしれませんが、
どうやら私は、その願いだけをぎゅっと握りしめて、
ほとんど見切り発車でこの世界に降りてきてしまったようです。

その魂の念願が、どこまで果たせるのか。
それを確かめるように、今も絵を描いているのだと思います。


ただ、私の思う「スピリチュアル」は、
特別な宗教や占いのことではなくて、

絵を通して、見る人の潜在意識や魂に静かに語りかけていくこと

に近いのだと思います。

絵は、心の奥深くに語りかけ、
潜在意識をそっと動かす力があると感じています。

絵を観て、理由はよく分からないのに胸がぎゅっとしたり、
なぜか涙が出そうになったり、
ただ「この絵、なんだか好きだな」と何度も眺めてしまったり――

そういう「何か感じる」という体験こそが、
絵がその人の一番深いところに触れて、見えない場所を静かに揺らしている瞬間なのではないかと思うのです。

私は、天使や色やかたちに、
言葉にならない思いや祈りを託して描いているつもりです。

その働きを、はっきり証明することはできません。
「本当に効いているのか」と聞かれると、正直なところ私にも分かりません。

でも、誰かが絵を見て、心のどこかでそっと何かを感じてくださるなら、
その時点で絵はもう役目を果たし始めているのだろう、と思います。


良い絵って、結局はみんなスピリチュアルだと、私は思っています。
見る人の魂にまっすぐ届いて、その人の中に静かな変化を起こす絵。

そういう意味では、ナイーブアートも、童画も、アールブリュットも、
本当はぜんぶスピリチュアルアートの仲間なのかもしれません。

だから、私が自分の絵を「スピリチュアルアート」と呼びたい理由は、ただひとつです。

精神世界の中に、自分なりに深く入り込んで、
魂からの絵を描きたいから。

誰かを癒します、と大きな声でうたうつもりはありません。

でも、自分の内側のいちばん静かなところに触れて、
そこからにじみ出てくるものをキャンバスに託すなら、
それは私にとって、やっぱり「スピリチュアルアート」と呼びたくなる絵なのです。

今まで大切にしてきたナイーブアートも、童画も、アールブリュットも、

「良い絵を描きたい」という一点

では、みんな同じスピリチュアルな源につながっているのだと思います。

これからは、自分の絵を「スピリチュアルアート」と呼ぶことに、
少しだけ勇気を出して、慣れていこうと思います。

そして、自分なりのスピリチュアルアートを、
一枚ずつ、この世界にそっと増やしていけたらうれしいです。

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