私は、目には見えなくても、いつもどこかで天使がそっと見守ってくれていると思います。苦しくて立ち上がれないようなときや、どうしても一歩が踏み出せないとき、ふいに胸の奥に小さな光がともる瞬間があり、そのたびに天使が心の中にやってきたと感じるのです。
入院中に姉が「水で溶けるクレヨン」という画材を見つけて送ってくました。それ以来、この水彩クレヨンはすっかりお気に入りになりました。なにより、思いきりぐりぐりと描きなぐることができるところが、とても気持ちよくて、心の中のものをそのまま紙にぶつけるような感覚で描くことができます。
その日も、ただ色を重ねたくて、ぐりぐりとクレヨンを走らせていました。すると、思いがけず紙の中に天使の姿が浮かび上がってきたのです。あらかじめ天使を描こうと思っていたわけではなく、描きなぐっているうちに自然に姿を現した天使で、私自身がいちばん驚きました。偶然の重なりの中から立ち上がってきた、小さな天使の奇跡のような一枚だと感じています。
この天使が、見てくださる方それぞれの心の中にもそっと現れて、素敵な奇跡を起こしてくれたら、とても幸せです。
F4 クレヨン画