「スターシード(星の種)」と聞いたとき、とおい宇宙の懐かしい声が、こんな近く――胸の奥にあるのだと思いました。
それで私は、自分の胸の中の“星の種”を、そっと探してみたくなったのです。
それがいつか芽生えて、星の記憶を思い出すのだと聞いたとき、なんて素敵だろうと思いました。
スターシード――この名前は、誰がつけたのでしょう。
あまりにも長い間、旅をしてきたので、自分が本当は誰なのかも、どこから来たのかも忘れてしまって、ただただ宇宙が懐かしい。そんな人を、スターシードというのでしょうか。
「スターシードとは」で検索すると、こんな説明が出てきます。
地球以外の宇宙の星々から転生してきた、高い意識や魂を持つ人々のこと。
地球の文明や次元上昇(アセンション)をサポートする使命を持って生まれたと言われ、地球特有の価値観や生活習慣に馴染めず、孤独感や生きづらさを感じやすい傾向がある――。
心に秘めたスターシードたちは、私たちの周りで、静かに生きています。
一人ひとりの胸の中には、ひとつとして同じでない、その人だけの物語があるのです。
そんな美しいところに私たちは生きているのだと思うと、深い夢の中へ入っていきそうになります。
私も、星空を見ていると、懐かしさでいっぱいになる方です。
中学生のころ、理科の授業で、宇宙のビデオを見た日がありました。先生は途中でどこかへ行ってしまって、教室は自習のようにほどけていきました。みんなはおしゃべりをして、笑って、画面から目をそらして。ちゃんと見ていたのは――たぶん、私くらいでした。
でもそれは、まじめだったからではありません。
画面の中の宇宙が、私を呼んでいたのです。
宇宙の暗さ。
底の見えない黒。
その黒の中に、ふっと裂け目のようにあけてくる星の光。
星雲の、言葉にならない美しさ。
冷たいはずなのに、どこかあたたかくて、胸の奥に触れてくる。
見ているうちに、心が揺れて、懐かしさが満ちていきました。
「どうしてこんなに、知っている気がするんだろう」
「どうしてこんなに、帰りたくなるんだろう」
理由はひとつもわからないのに、涙の手前みたいなものが、ずっとそこにありました。
もちろん、だからといって「自分がスターシードだ」と言いたいわけではありません。
ただ、どこかで「スターシードは海辺の町や、標高の高い場所に惹かれやすい」と読んだことがあって。
私も、海のない町に住むことを想像すると、少し窒息しそうに感じてしまいます。
そして海がなくても、長野のような標高の高い土地へ行くと、心がひらけるのです。――不思議ですね。
この世の中のスターシードたちの種が芽吹いて、それぞれの美しい記憶と使命を思い出し、この世界がもっともっと深遠で、もっと愛情深いところになりますように。
星の種。
忘れてしまったのに、忘れきれないもの。
遠いのに、こんなに近いもの。
スターシードという言葉が、心をつかんで離さないのです。