フランスの画家、セラフィーヌ・ルイ(Séraphine Louis, 1864–1942)。
彼女はフランス北部オワーズ県のアルジーという小さな村に生まれ、パリ近郊の町・サンリスで家政婦として働きながら、独学で絵を描き続けたナイーブアートの画家です。ウィキペディア+1
昼間は人の家を掃除し、夜はロウソクの明かりの下でこっそり絵を描く──そんな生活の中で、彼女は誰にも教わることなく、心の奥から湧き上がるビジョンをキャンバスに写しとりました。強い信仰心から、教会のステンドグラスや宗教画にインスピレーションを受けていたとも言われています。
セラフィーヌ・ルイの絵を観て受けた衝撃
初めてセラフィーヌ・ルイの絵を観たとき、私は衝撃を受けました。
彼女は植物の絵を描いているのですが、そこにあるのは単なる「花の絵」ではありません。たくさんの葉や花が、うねるように増殖しながら画面いっぱいに広がり、その奥に神秘的で霊的なつながりが感じられるのです。www.wikiart.org
それは外側の風景というよりも、心の内面に向かって開いていく庭のようで、とてもスピリチュアルだと感じました。
色彩も、「どうしてこんな色と色の組み合わせがひらめくのだろう」と思うほど、美しく独創的です。赤や緑、青、黄色が、まるで光を放つように重なり合い、葉っぱや花の形をとりながら、ひとつの宇宙をつくっています。
セラフィーヌ・ルイの木々や草花は、
**「天国でしか見られない植物」**のように思えます。
生きることと、信じるものと、ひたむきさ
彼女の作品を見ていると、私は励まされます。
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絵と一緒に生きるということ
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心の内側で「信じるもの」とつながること
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そして、ひたむきにそれを表現し続けること
セラフィーヌは、決して恵まれた環境で生きていたわけではありません。
それでも、自分の内側に見える美しさを信じて、ひたすら絵を描き続けました。その結果生まれたのが、あの力強く、どこか祈りのような植物の絵なのだと思います。
彼女の作品を見ていると、天上の美しさは本当にあるのだと感じられます。
しかも、それは遠くのどこかではなく、自分自身の心の奥深くに広がっているのだと気づかせてくれます。
私にとってのセラフィーヌ・ルイ
私は、セラフィーヌ・ルイの絵の「力強さ」に癒されています。
たくさんの葉が渦を巻くように集まり、画面から溢れ出してくるようなエネルギー。その前に立っていると、不思議とお腹のあたりがじんわりと熱くなってくるのです。
言葉ではうまく説明できないのですが、
「こんなにも心の底から絵を描いていいんだよ」と、後押しされているような感覚になります。
セラフィーヌ・ルイは、もっと評価されていい画家なのではないか──
私はいつもそう思ってしまいます。
観ているだけで、胸の奥から何かがこみ上げてくる。
そして、自分の中にもまだ見ぬ「天国の草花」が眠っているのだと信じたくなる。
セラフィーヌ・ルイの絵は、私にとって、そんな特別なスピリチュアルアートなのです。