シャガールの画室の写真を見たことがあります。たくさんの油絵用の白い豚毛の筆がバケツいっぱいにいれてあって、まるでシャガールに捧げられた、大きな白い花束の夢のようだったのを覚えています。私はこの筆の花束を約束の花束と呼んでいて、いつか自分の画室にも筆の花束を届けようと思っているのです。私の筆の数は少なく、管理もちゃんとできていませんが、筆にどれだけ愛情を注ぐかが、良い絵を描けるかどうかのような気がします。昔、佐々木豊先生が、僕は筆は髪の毛とおんなじだからシャンプーで大切に洗ってるとおしゃっていました。私はその言葉を、いつまでも大切にしていて、筆を洗うときはリンスインシャンプーで洗っています。私の筆を見ていると、今までの私の絵画への希望と絶望とが入り混じっている気がするのです。もっと筆を大切にして、いつか夢の花束のようにしなければと思いました。
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